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映画『オートマタ』

不正改造されたオートマタを発見!ROC社・保険部の調査員ヴォーカンが、謎の改造首謀者を追跡する!!そして、改造オートマタは進化する・・・・・

 2044年、太陽風の増加により、地球は砂漠化が進み、人口は99.7%減少し、わずか2100万人になってしまった。大気の乱れが地上の通信システムを妨害し、人類は技術的な後退を余儀なくされた。
目には見えないが大気はゆっくりと汚染され、機械雲が降らす雨の酸性化レベルは徐々に高くなりつつあった。
 ハイテク技術の大企業ROC社は、ピルグリム7000型という人型ロボット〈オートマタ〉を開発した。オートマタは、人類存続のため砂漠化を防ぐ巨大防御壁の建設や、機械式の雲を造るほかにも、人間社会に密に入り込んでいた。建設現場のみならず、家事、セックスなど、様々な人間の生活を幇助していた。
また人類が膨大な数のオートマタを管理・維持できるよう、2つの制御機能(プロトコル)が組み込まれた。
「制御機能 1:生命体への危害の禁止」
「制御機能 2:自他のロボットの修正(改造)の禁止」
ただしオートマタが何らかのトラブルを起こした場合、ROC社の保険部から調査員が派遣される。髪の毛を坊主頭のように短く刈り込んだジャック・ヴォーカン(アントニオ・バンデラス)は、その1人だった。
 ヴォーカンの脳裡に残像のように広がる美しい海は、遥か昔、幼い頃に海で遊んだ楽しい記憶なのか、あるいは海への憧れが抱かせる美しい幻想なのかは、彼自身にしか分からなかった。
 まもなく、ロボット嫌いの粗野な刑事ウォレス(ディラン・マクダーモット)によって、オートマタの異変が発見された。機能異常を見せたオートマタの所有者は不明で、しかも予備DCバッテリーや新しい補正液が加えられているだけでなく、第2プロトコルが失われていて、内部が相当改造されていた。
 そして改造部品の中に、現在稼働中のオートマタの部品がまじっていたために、ヴォーカンは、防御壁を造る建設現場に向かった。まじっていた部品は、溶接工のオートマタのもので、ヴォーカンが近づこうとすると、それは自らオイルをかけ、バーナーの火で自殺するかのように燃えあがって倒れた。
 溶接工のオートマタも、第2プロトコルが失われていて改造されていた。プロトコルは心臓部ともいえるバイオカーネル内にあり、量子暗号化されている。徹底的な安全システムのため、プロトコルを変更しようとすれば、バイオカーネルも壊れてしまう。そんなプロトコルを、一体誰が改造しているのだろうか?
 ヴォーカンは捜査中に出逢った女性技師、デュプレ博士(メラニー・グリフィス)から、プロトコルの重要性を知らされた。「猿の脳が我々の知性まで進化するのに約700万年かかったわ。でも第2プロトコルのないロボットなら、数週間で同じ進化を果たせるの。人間には脳の制約があるけど、ピルグリム7000型の唯一の制約は、第2プロトコルよ。それがなくなれば、ロボットの進化がどうなるのか、人間には予測不能といえるわ……」
 ROC社のホーク社長より、ヴォーカンに調査中止の謎の指示が届いた。ちょうど同じ頃、デュプレ博士からも驚きの実験結果がヴォーカンに報告されていた。改造カーネルを組みこんだ娼婦用オートマタ、クリオが、自らの肉体を改造し修理をはじめたというのだ。
 まもなくデュプレ博士は、見知らぬギャングたちに射殺され、ヴォーカンも狙われた。壮絶なカーチェイスの果て、車は大破。体にダメージを負ってしまったヴォーカンは、クリオら4体のオートマタに助けられ、広大な荒野を進んでいた。やがて街から遠のいていることを知ったヴォーカンは、妻が待つ街に戻してくれとオートマタに頼むが聞き入れてもらえない。このままでは、人間に危険な“立ち入り禁止区域”に入ってしまう。
 一方、急に産気づいて娘を出産したレイチェルにも、魔の手が迫っていた……。
 オートマタ・ピルグリム7000型を改造しているのは、一体誰なのか? そして、その目的とは? オートマタの隠された過去について、ROC社のホーク社長は何を知っているのか?
 ヴォーカンは、砂漠化した危険な荒野で、オートマタの遥かに複雑で恐ろしい真実を知ることになる……。